朝日連峰縦走 (大朝日岳1870.3m / 以東岳1771.4m)  07.07.27-29
3日目 07/7/29(日)
タキタロウ山荘      4:25
七ツ滝沢橋(吊橋)    5:10
冷水沢吊橋        5:35
泡滝ダム大鳥登山口P   6:25
泡滝ダムBS       6:35
大鳥登山口BS(朝日屋前)8:40
→(バス)鶴岡駅→(特急)坂町駅→(列車)小国駅→(バス)
五味沢BS       16:30
30分後に車に乗せてもらえて大石橋Pへ 17:15
夜中に豪雨が屋根を叩きつける音で目覚めた。 沢の増水が心配になるが、最終日は雨でもいいような行程なので、朝には小降りになっていればいいやと寝なおす。

次に気が付いたのは携帯バイブの目覚ましを止めた二度寝後の03:10。 あちゃー、4時には出たいと思っていたのに完全に寝坊だ。玄関に下りて、こそこそとお茶漬けを作って口の中にかきこむ。 慌てたおかげで上あごと舌がしっかりと焼けどした。

出発は4:20。朝日屋前バス停から鶴岡駅行の時刻は09:18。 ここからのCTは5時間30分なので短縮しないといけない。この時期は泡滝ダムからもバスが出ているが始発が09:35。 これに乗るようだと、今日中の公共交通機関での車回収は不可能。林道といえ、きつい一日だ。

夜明け前の大鳥池 濡れた樹林帯を行く ブナの森を進む
夜明け前の大鳥池 濡れた樹林帯を行く ブナの森を進む

小雨が降ったり止んだりな空模様なので樹林帯は真っ暗だ。 鈴をじゃらじゃら鳴らして下って行くと、大きなドサドサッとした音を立てて逃げていく動物もいる。 熊っぽいが怖さはあまりない。それが当たり前な場所だ。

地図には2つの吊り橋の表記がある。濡れているから危ないかな?と心配していたが、小国側と比べれば歩み板の幅が2倍。 これなら問題無し。橋の真ん中で写真を撮る余裕もあるほど。

七ツ滝沢の吊り橋 豪雪地帯特有の姿 大鳥川沿いの道
七ツ滝沢の吊り橋 →板幅 豪雪地帯特有の姿 大鳥川沿いの道

2本目の冷水沢の吊り橋を渡って、谷底を流れる大鳥川沿いの道を下ると、やがて泡滝ダムに行き着く。 冴えない天気なので、林道に出たことにほっとしたが、これからがまた長い。数十m下った路肩には車が並んでいた。 ここら辺りが駐車場なのかな?

泡滝ダム 小さいです 泡滝ダムの駐車ポイント 泡滝ダムBS ダムから500m下流にあります
泡滝ダム 小さいです 泡滝ダムの駐車ポイント 泡滝ダムBS ダムから500m下流にあります

何かの間違いでバスが待ってたりして・・・そんなはずもなく、大鳥集落の朝日屋旅館前のバス停まで林道CT3時間を歩いて行く。

林道歩きは大概の人は嫌う。もちろん私も歩かないことに越したことはないが、山旅が無事に終わり、 山中の風景や出来事を思い出しながら、山の余韻に浸って歩くこの時間は悪いものではない。

先週くじいた右足首が痛みだしたが、かまわず早歩きを続けて行く。 橋を何度か渡り、道は山奥の林道からだんだんと幅も広くなり、畑が点在する山里の風景に変わっていった。

そして、ついに民家の集まりが見え出してきたので安堵のため息「ふ〜」。 カブに乗ったおばあちゃんが目の前の畑で止まって声をかけてきた。 大鳥池から歩いてきたことを伝えると「大鳥池がらぁ?、達者だなぁ〜〜」と、あたたかくて和む東北なまりの言葉。 県は違えど私の故郷と同じだな。

林道です オオウバユリ やっとこさ朝日屋に到着
林道です オオウバユリ 大姥百合 ユリ科 やっとこさ朝日屋に到着

朝日屋に着いたのは8:40。汚れたカッパをたたみ、余った水で足を洗って靴下を履き替えて落ち着く。 そして店先には冷えたビールがぁ〜。そりゃ飲みますとも!うーん、これで全ての苦労は消え失せた。 朝日屋の旦那さんと話しているうちにバスが到着。 朝日屋に泊まっていた数名の登山客と地元の人を乗せて、鶴岡駅まで70分のバスの旅。

鶴岡駅から新潟の坂町駅までは「特急いなほ8号」に乗る。車内販売にすぐに飛びつき弁当とビール。 車に乗るまではまだ8時間近くあるのでぎりぎりセーフということにしておこう。

「こまち重ね弁当」1000円也 右を向けば日本海 左を向けば美しい田園風景
「こまち重ね弁当」1000円也 右を向けば日本海 左を向けば美しい田園風景

坂町駅からは米坂線で小国駅まで。駅で80分の乗り換え待ちだが、足首に湿布したり、 携帯で知り合いの山ブログなど見ているうちに発車の時間になる。最近暇つぶしには苦労しなくなったなぁ。

またまたバッタリでびっくり! お疲れ様〜〜

単線なので、途中の駅ですれ違い停車。で、なーんと、反対側の列車にビスタ〜リさん達が乗ってる! とにかくびっくりだ。坂町駅に車を置いているらしく、こちらへ向かっていることは1時間前のお疲れさんメールで知ったのだが、 まさか、また顔を見せ合うとは。
電車バッタリなんて一生に一回だろうなぁ。
またまたバッタリでびっくり!

小国駅で降り立つと4、5人の登山者が駅の待合室にいた。駐車場所まで一番近い五味沢停留所を通るバスの発車までは95分待ち。 ブログも見尽くしさすがに暇になった。登山者達を乗せた飯豊山荘行きのバスが出ると1人ぽっち。 マナーが悪いと思ったが、バス停横のコンクリートの上に濡れ物を広げて干す。

16:30に五味沢BSで降りた。今にも降り出しそうな雲が空を覆っている。車ではあっという間だった道も歩行だとCT2:40。 さあ、この旅の仕上げとなる、ただの道路歩きを始めるか。

小国駅のバス停 五味沢のバス停付近 ネジバナ 捩花 ラン科
小国駅のバス停
飯豊に向かう登山者達
五味沢のバス停付近 前方に進む ネジバナ 捩花 ラン科

道路歩きと言っても「熊注意」の看板がある道だ。民家が完全に消えたら鈴を出すかなと歩き続けた。 そして、ある一軒の家の前を通りがかった時に犬に吠えられた。「よー犬ー、そうワンワンするなよ」と声をかけていたら、 表で片付けをしていたご主人がこちらを振り向いて「あれ?どこかで見たな??」と言っている。 私も(あれ?)と思い出してみると、今向かっている登山口で、初日に会った方だった。またしも奇遇なことが。

今回の縦走や天気のことなど話していると「じゃー車に乗って行くかぁ?」とお誘いが。 大石橋まで歩くことで心の内は固まっていたが、出会いに嬉しく、有り難くご好意を頂戴した。

話を聞くとこの3日間は毎日山に入っているとのこと。金曜は植生調査の依頼で2人で入ったというし、土日は登山道の刈り払いを数人で行ったそうだ。 白神山地にも劣らない朝日のブナ森の素晴らしさ、変化があり面白いのに静かなこの小国口のことなど、地元の方が語る山の魅力はとても興味深かった。 車の中にはさっき吠えてた犬も乗り込んできた。私のヒザにも上がってかわいい奴だ。

ちー坊、ありがとね

途中で飯豊の山小屋の管理人さんとも行き会って、乗せてくれたご主人はにこやかに話している。 この辺りではだいぶ顔が広いお方のようだ。

大石橋の自分の車が見えたらほっとした。ご主人へはお礼を言って別れた。 犬の名は、ちー坊。お前が吠えてくれたから、こんな出会いが出来た。ありがとう。
ちー坊、ありがとね

ご主人の家が民宿風だったので、家に帰ってから看板の名前を手がかりに、幾つかのサイトを見て驚いた。 ご主人は、朝日連峰の国立公園管理人であり、熊猟のマタギ、さらに地元山岳会の顧問もされている方だった。 そのような話は一切せず、車中では朝日の良さを語っていただけだったのに。

朝日や飯豊を歩く時は、縦走しなければならないという想いが強く、日数の関係でなかなか山行の実現に至っていなかった。 微妙な天気予報だったが我慢できずに入った今回、思っていた通りにいい山だった。 まだ歩いていないピークはあるが、主脈を歩き通すことができて本当に気持ちがいい。

山だけではなく人とのふれ合いも多かった。単独で山に入って寂しくないのか?と聞かれることがあるが、 こんな山旅をしていられるんだもの、私はいつも1人ではない。

また時が過ぎたら戻ってきたい。次は秋がいいだろうか。

もちろんその時は、テントの代わりに酒やうまい物でもたくさん背負って、小屋で隣り合った山好きと、山の夕を楽しく過ごしたいものだ。


東北ヘ