蝶ヶ岳(厳冬期天泊) 2677m  08.02.09-11
3日目 08/02/11(月)
蝶ヶ岳             7:00
徳沢             10:30
河童橋            13:05/14:00
中ノ湯            16:15
4:30の目覚ましで起きる。小屋の中は−18℃。もっと下がると思っていただけに、相当に寒い数字なはずが「そうでもないね」と言葉を交わすお互いの会話に思わず笑う。

朝食はカレーうどん

のどごしツルツルの新発売の物にしてみた。うずらの玉子と餅を入れたのでボリューム満点なのだが、単調な色味に難有りかな? ペミカンの鶏肉を残しておけばよかった。

朝からカレー?と思っていたけど、和風味なので寝起きでもするする入った。体も暖まっていい。
朝食はカレーうどん

テント撤収がないとはいえ、互いのテルモスを暖かい飲み物で満たしたり、冬期の荷物が多いことなどで、出発は予定をやや遅れ、小屋を出たのは6:40。

日の出 小屋の裏手にて 日の出 小屋の裏手にて

小屋前で蓼科山の左に昇る日の出になった。

外気は−20℃、それほど寒くはなく、風も昨日よりも無く、無風と言ってもいいぐらいだ。

山頂では同宿の単独の方が三脚を立てて、フィルムの一眼レフで穂高を狙っているところだった。 今回は軽量化というかザックに入りきらないので、一眼レフを置いてきたので羨ましい。

その単独の方に小屋の戸締りをお願いして、20分ほど山頂の景色を楽しんだ。穂高も槍もすぐそこにある。 日の光は次第に雪山を桃色に変えていった。なんていい時に登って来れたんだろうか。

穂高岳 穂高岳

槍ヶ岳 槍ヶ岳

シュカブラと常念岳 シュカブラと常念岳

好天と無風のおかげで山座同定が飽きない。

富士と南アルプス遠望 北信方面の山々<br>左から、火打、妙高、高妻。
富士と南アルプス遠望 北信方面の山々
左から、火打、妙高、高妻

さて、いつまでも山頂にいる訳にもいかない。遠く小さく焼岳が見える。今日中にあの麓まで下るのかと思うと、昨日の状態でほんとに歩けるのか?と不安になった。

帰路を望む 帰路を望む

中央右の低い山が焼岳。あんな離れているところまで行くのか。ちょっとその遠さにびっくりする。

左の山稜は霞沢岳で、その左後ろに重なるように、乗鞍岳がま白な山頂部を突き出している。

いざ下り始めてみれば足は快調!ま、下り坂なので当たり前なのだが、踏み固めた道は昨日より歩き易いのも確か。 昨日の休憩跡を2箇所もすっとばして下り続けた。

スノーシューでサクサク進む 長塀山でもまだ朝の光 気を抜くとおいてかれます
スノーシューでサクサク進む 長塀山でもまだ朝の光 気を抜くとおいてかれます

2000m地点で、スノーシューを外してアイゼン装備。そういや使うのは今回初めてだ。背中のピッケルは使わず仕舞いになった。 いい斜面を見つけると、しげぞさんは尻セードで加速。自分もやるもーん、とやってみたら、おわっ、スピード出過ぎ! 怖いので真面目?に足で下ることにした。アイゼン外すのも面倒だし、制動の為だけにピッケル出すのもなんだしなぁ。

徳沢に帰ってきました 徳沢に帰ってきました

昨日の登りの半分以下の時間で徳沢に到着。気温は−10℃を軽く下回るが、風が無く照りつける太陽のおかげで暑いぐらいだ。

休憩しても体の熱は冷めない。後はオーバーヤッケを脱いで行くことにした。

ここから平坦な道になり、また歩きが遅れだした。まぁ、昨日の状態じゃそうなるだろうなと、下界で体力作りをしようと心に決める(でも喉元過ぎればなんとやらかも)。

でも今日は上高地の散策日和だ。ほとんど人に会うことなく、”陽光きらめく神河内”の景色を楽しむ。

対岸にそびえる明神と北穂 雪原になった川べりと焼岳
対岸にそびえる明神と北穂 雪原になった川べりと焼岳

振り返れば蝶ヶ岳が見えていた 明神を過ぎて河童橋に近づいてきた
振り返れば蝶ヶ岳が見えていた 明神を過ぎて河童橋に近づいてきた

肩と背中が極痛いが、我慢我慢でようやく河童橋に到着。ここまで戻ると軽装の方が多く観光地という感じ。 実際は数えられるほどの人数だが、土日と静かな山旅をしていたので、余計に賑やかに感じた。

河童橋からのいつもの絵  河童橋からのいつもの絵

時間もあることだし、この絵を見ながら大休止とする。梓川の水を沸かして、しげぞさんが紅茶をご馳走してくれた。

時間が経つにつれ人影は少なくなり、やがて河童橋には誰も居なくなった。

まったく贅沢な時間だ。

1時間ほどたっぷり休んだ。さて、我々も帰りますかと、河童橋を渡り、ウェストン碑の前を通る道をのんびり歩き出した。

その梓川の対岸の道からは、霞沢岳がとても立派に見え、また登りたくなった山が増えた。でも無雪期にしか行けないだろうな。

川べりを歩きます ウェストン碑 霞沢岳 立派ですね
川べりを歩きます ウェストン碑 霞沢岳 立派ですね

大正池周辺には猿が多く、超猿好きのしげぞさんがそわそわし始めた。

ザックを置いて私がトイレ休憩する間に、嬉々(キッキー?)と写真を撮りまくるしげぞさん。 猿に近づいてキーッとされても「めっちゃ怒ってるー(^^)」って感じで喜んでいる。何かオーラを感じました。

途中には食皮で幹の中が剥き出しの木もあった。よくこんな環境で生きられるものだなぁ。

大正池からの焼岳 猿がたくさんいます 木になる猿を激写中
大正池からの焼岳 猿がたくさんいます 木になる猿を激写中

大正池でタクシー会社に電話し、最後の道を歩き始める。かなり疲れているので、ちょっとした登りでも歯を食いしばるように歩いた。 やがてトンネルが見えてきた。入口の雪道に当たる日の光はすで斜陽の趣き。

後はトンネル内部の下り道のみ。ヘッドランプは出さないで、トンネル内の明かりだけで歩いていった。 出口のが見えた時は、達成感というよりも、嬉しいような寂しいような複雑な気持ちになった。

上高地よ、さいなら! ついに釜トンネル トンネル出口 中ノ湯到着!
上高地よ、さいなら! ついに釜トンネル トンネル出口 中ノ湯到着!

中ノ湯に着いたのが16:15。タクシーが到着する間に、トンネルの前で知り合いにバッタリしたりなど、最後の最後で驚きがあった。(実はその後の温泉でもまた会ったのだが)

タクシーに揺られながら、無事に山旅を終えられたことに安堵し、また、穏やかな天候とパートナーのしげぞうさんに心の中で感謝していた。

こんな山旅はなかなか出来ないなぁ、そして山というものに出会えて、なんて幸せなのだろうかと心底思う帰り道だった。
北アルプスヘ