北八ヶ岳   3日目 本沢温泉    6:00
中山峠     8:25
高見石小屋   9:45 10:00発
麦草峠P    10:55
04.05.02

シュラフの中に潜り込んでいると、マッチ棒を擦った時の匂いが充満していて息苦しい。露天風呂の強い湯の匂いは、次の日になっても強烈で、全然とれていなかった。

最終日も良い天気になった。天場から見える硫黄岳の爆裂火口が、朝日に照らされている。

朝食は夕食の残り物を温めてドライカレーにした。

まずは巻くようにして中山峠へ向かう。林道を少し歩いて左手の登山道に入る。尾根を越えるとしばらく平坦な道が続き、北八ツ彷徨といった具合になる。

清涼な小川があったりして、低い樹林帯の静かないい道だ。

左手前方に稲子岳が見えてきた。昨日、一昨日は見下ろして歩いていたので、目立たなかったが、こうやって下から見ると勇ましい岩壁の立派な山だ。

後で知ったが岩登りのゲレンデでもあるらしい。初夏には頂上でコマクサの花畑が見られるとのこと。攀じるコース以外でぜひ一度訪れてみたい。

中山峠に近付くにつれ残雪の道になる。2月には中山峠直下の積雪量は、両手で掻き分けるほどになるが、その雪がまだこんもりと残っていた。

中山峠から中山方面へ少し上がると、天狗岳や硫黄岳が見えるガレの縁に出る。今日は天狗岳が一段と鮮やかに見えている。

中山の展望台は相変わらずの強風だが、北アルプスもきれいに眺められる日で、休息する人も多い。

たまには途中でのんびりしようかと思い、高見石小屋に寄ろうと決めた。多分、旅の終わりが近くなり、山の時間を名残惜しむような感覚になってしまたのだろう。

高見石小屋の玄関には、クリスマスの時はツリーだったが、今日はちいさな鯉のぼりが飾られていた。

テラスでザックを下ろして椅子に座る。外に出てきた小屋番の方と挨拶をすると、私を憶えていてもらったようで、今回の山旅のことなどを話しこんだ。

すると「何かお出ししますよ。」と、エビせん付きのコーヒーが出てきた。これには感激してしまった。またエビせんがコーヒーによく合っている。

コーヒーを飲み終えると、なんだか満足してしまって歩きたくなった。いくら最終日とはいえ、テントを設営していないままでのんびりするのは性に合わない。まあ、天泊縦走者なら当たり前の感覚なのだろうけど。

白駒池周辺には早くも観光客が大勢いた。凍結した道を普通の靴で難儀しながら歩いている。

森の中を抜けると麦草峠の青空が眩しかった。今日が3日間で一番いい天気。この景色が旅の終わりを告げていた。

駐車場は満杯。

帰りは小海側へ下りてお気に入りの灯明の湯に入る。残雪の八ヶ岳を見ながらの温泉で山旅を締めくくることができた。


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