北八ヶ岳   2日目 しらびそ小屋  6:50
中山峠     8:40
高見石小屋  10:30昼食 11:10発
麦草峠    12:25
茶臼山展望台 13:50
縞枯山荘   15:35
03.02.09

朝は佃煮・漬物・とろろご飯。これもおかわりしてお腹がはちきれそう。熱い味噌汁を飲んだら体に残っていた酒もすっきり消えた。

夜半から降り出した雪は5,6cmの積雪になった。今日はミドリ池の上には天狗が見えない。しかし池の周りの木々にはやわらかな朝日が当たり始めている。リスくんは次の楽しみにしよう。

小屋からの出発は一番目と思ったのだが、中山峠への道には新しい踏み跡が続いている。テント組もいたので先に歩いているらしい。

降雪のすぐ後の森は好きだ。木の枝に積もった雪や、ふわふわした歩き心地がたまらなく、どこか遠くの雪の国をさまよっているみたいだ。

快調に進んでいると4人パーティが休憩中だった。大きなザックにピッケル・ワカンをくくりつけた山屋さん達だ。おじさん1人と若者3人の構成。今日は天狗に行くのだろう。挨拶をして先に行かしてもらう。

踏み跡が消えた道を歩き始める。しばらくは道のへこみが判っていたが峠に近づくにつれ雪が深くなってきた。斜度も急で両手で雪を掻くように登る。ただの雪の斜面に見えてきた。

大汗をかいて峠まで100mぐらい下で休憩していると3人のおじさん達が滑り落ちてくる様に降りてきた。互いに人が歩いているぞとびっくりする。

ふたことみこと挨拶を交わしていたらテント組が追いついてきた。このまま行ってもらおう。その間ザックカバーを付けた。後はラッセル泥棒と化し中山峠までゆっくりと登る。

峠は小さいながら東側に雪庇ができておりU字に穴が開いていた。私もそこをくぐって峠の道標に着く。後で聞いた話だが過去にここで雪崩で事故があったらしい。ちょっと怖かった。 テルモスのお茶をすすって一息つく。

ここは人の往来が多い。中山から又は黒百合ヒュッテから登山者達は天狗へ向かって行く。荷物をデポしている人達もいる。天狗の後はしらびそ小屋へ向かうのだろうか。

凍りついた岩や木々の間を歩いていると明るさが増してきた。中山の登り、樹木が無くなる頃、ぱぁーっと青空が広がった。歓喜の声を上げ新雪を駆け上る。

なんとすばらしい景色なんだろう。とにかく青と白が目に眩しい。北は浅間山からぐるっと東を回って天狗まで見渡せる。

天狗岳は雲に巻かれていたが徐々に晴れていくところだった。雲の動きが風の強さを示していた。さきほど天狗に向かっていった人々は難儀してそうだ。

雲は完全には取れなかったが、これはこれで良しとし進み始めた。

天狗岳の中腹には取り付いているパーティが写っている。
※左下隅

いつの間にか山頂を過ぎ展望台に着く。今度の展望は北から西をぐるっと南へ、浅間山、北八つ、北ア、御岳、中ア。

しかしここは強風でゆっくりしていられない。あっという間に体温を奪っていく。

雪のおかげで快適に高見石小屋へ下ることが出来た。この小屋に来るのは3度目だが高見石に上がったことはまだ無かった。良い天気の中初めて高見石に登る。

白駒池が真っ白だ。これが見たかった。去年はあの池を二度スノーシューで歩き回った。今日も豆粒の様に池を歩いている人が見える。中山の方も大きい。こんな短時間で下ってきたことが嘘みたいだ。

高見石からの高見石小屋。おとぎ話に出てきそうなたたずまい。

このまま高見石の上で昼食とする。テルモスのお茶も無くなり水も残りわずかになった。縞枯山荘まで行けそうなので携帯電話で予約を入れる。
(数日前に「雪の状況で行けるか分からないんですけど」と聞いたら「1人だし平日なので予約無しで来てもいいですよ」と言われていた)

ここでちょっと色気を出して丸山越えで麦草峠へ抜けようと計画を変更した。丸山へは踏み跡が多く続いていたが、頂上から麦草峠へは急に踏み跡が少なくなる。 それでもそこを辿っていくと、どうも登山道を東へずれていっている様だ。赤テも無くなり雪を深く踏み抜いて歩きづらい。ここで今まで出番の無かったスノーシューを履く。

このまま降りて行くと大雪原へ出る様だ。登山道ではない。ガイドがついて歩くクロカンやスノーシューのツアーコースだ。

突然森が途切れて雪原の上部に出た。森の中にどうしてこんな場所が広がっているのか不思議だけれど、雪の季節しか来れないのでちょっと得した気分だ。
(実はこの大雪原が書いてあるイラストマップを持っていたので余裕でいられたんだけどね)

雪原上部からは、これから向かう麦草峠以北の山々が見える。

大雪原をゆっくり下って、ひたすら森の中を北へ行く。すると麦草ヒュッテへ続く道へと出る。そこから麦草ヒュッテまではすぐだ。 今回はそのままヒュッテを通り過ぎて雪で閉鎖されている国道で休憩とした。

この時期の国道はスキーやスノーモービルの道となる。たまに犬ゾリも見ることができる。とりあえずスノーシューはまだ使うかもしれないのでザックとザックカバーの間へ押し込んだ。
(結局この旅ではこの1時間ほどしか使わなかった)

大石峠で、さあどうしよかと迷った。茶臼山・縞枯山は巻いて明日にしようと計画していたがこのまま進みたくなった。まあそういうものだろう。

茶臼山の展望台へは思ったより時間がかかったがここからの展望は来た甲斐があった。中山では少し残っていた雲もすっきり晴れ渡って八ヶ岳のピークがきれいだ。

北アも霧が峰・美ヶ原の向こうにくっきり見える。

ここは茶色い土が露出していて一風変わった頂だ。

低い樹林の中の茶臼岳頂上へ戻ると、ここで引き返そうとしていた人がいたので「展望台もすぐですので寄った方がいいですよ」と声をかけた。

縞枯山へはそれほどきついアップダウンは無いのだが今日の体には限界がきていた。水もとうに無くなったがわざわざ作るのもめんどくさい。 小屋でビールを飲む姿を頭に浮かべながら黙々と歩く。

縞枯山の稜線部ではたくさんの枯れ木にエビの尻尾が付いている。強風が吹くとそれが割れ落ちてガラスの鈴の音が鳴る並木を歩いているみたいだ。

拡大してみるとほんとに「エビの尻尾」みたい。

縞枯山荘への下りは暗い樹林の中の道だ。先行者が尻セードで下ったらしく、長い滑り台のようになっている。 私もそうしたかったがザックカバーに押し込んだスノーシューが垂れ下がり、滑っていくのには邪魔になりそうなのでそのまま慎重に下る。

森を抜け視界が開いてきた。おー、縞枯山荘が見える!誰も居ない森でちょっと心細くなっていたので安心できた。

三角屋根の縞枯山荘に着いた。ここから周囲を見渡すと、雨池山・坪庭・縞枯山に囲まれて大きな窪地の底にある一軒宿という感じ。

とりあえず手続きをしてビールを買う。だが勢いよく飲んだ為か食道や胃がおかしくなってしまった。350缶がなかなか飲み干せない。あ〜最初は水にすればよかったか。 それにしても今日は暑かった。夕方でも縞枯山荘の外気は氷点下にならない。日焼け止めを塗った顔もひりひりと痛く最近なまっていた体も相当疲れていた。

今日は小屋のご主人は下ってしまったとのこと。若い男女2人の従業員だけだったが客も8人しかいない。 いつもは食事室で食べるが、人数も少ないということで一階の大きなコタツで夕食となった。ランプの明かりの下で食べる食事はうまかった。

メインは丸々としたハンバーグ。付け合せの野菜も多くおいしくいただけた。

食事後は皆でまったりと談笑する。今日の分の日本酒も持ってきていたのだが(軽量化の常識は私のザックに当てはまらない言葉だなあ)、胃の調子をまたおかしくしそうなので皆に振舞った。


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