北八ヶ岳   1日目 稲子湯    12:10
しらびそ小屋 13:45
03.02.08

今回はのんびりと車窓での旅を計画した。計画といっても普通列車を乗り継いで行くだけだ。中央線は立川から乗り、高尾で小淵沢行きに連絡できた。 出発間近の車内は学生が多い。床に置いたザックを手で押さえながら電車が動き出す。

上野原であらかた人が居なくなり、向かい合わせのボックス席は独り占めとなる。進行方向右手には立派な山が見える。名のある山だろうがこの辺りは詳しくない。地図を持ってくれば良かった。

何気なく左手を見ていたら不意に白い峰々が姿を現した。南アルプスだ。青い空に3000mの白い連なりが映える。「お〜、いいね〜」と心の中で思ったつもりがつい口に出てしまう。 はたから見れば変な人だがすでに2,3人になった車内なのでまあいいか。

やがて鳳凰山と茅ヶ岳が大きくなってきた。鳳凰山のこんなに近くを走っているとは思ってなかったので、見上げるようにして眺める。

甲斐駒と摩利支天も大きい。去年の夏はあそこを歩いていたのかと他人事の様に思い返す。

八ヶ岳が見えてきた。終点の小淵沢でワンマンの小海線に乗り換えだ。駅弁とお茶を買い2両編成の車両に乗り込む。

席を確保して出発を待っていると、正面に座っている兄弟(姉・弟)が盛んに私の方へ手を振っている。ん〜?と後ろを向くと、両親と思われる男女(悲しいかな、私と同じ歳ぐらいだ・・) が線路の向こうで手を振っている。どうも子供達だけで旅に出るらしい。兄弟ともリュックを持っているが私のとは比べるまでもない小さなかわいらしい物だ。 電車が走り出す。こういう旅もいいな。景色も楽しめるしお弁当もうまい。今日の登りが無かったらビール飲んじゃうのにとニコニコしながら食べる。

二駅ぐらい過ぎると弟くんの方がぐずり始めた。お姉ちゃんはリュックからお菓子を出してなだめたが、しばらくするとお姉ちゃんの膝に頭をうずめてめそめそしている。 お姉ちゃんも「大丈夫だから」と背中をトントンしてるのだがその目は涙ぐんでいた。弟くんの不安な気持ちが移ってしまっている様なのだが下唇をぐっとしてがんばっている。 なんともいじらしい光景。小さくてもお姉ちゃんなんだなあとこっちまでじーんとしてきた。

私が降りたのは松原湖駅。ここで降りる登山客は多かった。無人駅には小屋の迎えの車が待っていたが、本日の客は多いらしく稲子湯のマイクロバスも来ていた。

稲子湯までは700円。今日の山歩きがようやく始まる。

林道を2,3度横切りゲートに着く。小屋の車に乗っていた登山客はここまで送ってもらったようだ。道を進むと右前方に岩壁が見えてきた。 根子岳だろうか?ニュウかもしれない。登山道はずっと雪だが細く踏まれた跡が続いている。

小さな丸太の橋を渡ると山道らしさが増す。

小屋までは急登もそれほど無く足が進む。

木々の切れ間からは硫黄岳の爆裂火口が見える。

しらびそ小屋が見えてくると小さな犬のお出迎えがあった。足元までよろよろと近寄って来てから急に吠え出した。ちょっとびっくりしたが、向きを変えまたよろよろ小屋へ戻っていく。

犬の後をついて小屋まで行くと犬がじっとして私が戸を開けるのを待っていた。

中に入り宿泊の手続きをする。うれしいことにお茶とかりんとうが出てきた。お茶は笹茶とのこと。初めて飲んだがすっきりとしてかりんとうとも合う。

一緒に小屋に入った小屋犬はストーブにあたっている。犬に手を出そうとしたら小屋のご主人に「目が見えないから止めといた方がいいよ。」と言われる。
確かに外で薪に頭をぶつけていたのが納得できる。目が見えないのに登山者を迎えに出てくるなんて凄い奴だ。名はラッキーという。

小屋の目の前には真っ白になったミドリ池があり、その木々の上には東天狗が尖がっている。小さな動物達の餌付け場もある。明日の朝までにリスが見れたらいいんだけど。

ラッキーはストーブの横で眠っている。荷物を片付けたら楽しみな時間の始まり。私もストーブにあたりながら持参のビールを飲む。やっと落ち着いた。次はどぶろくを頼む。うまいなあ。

団体さんが到着して騒がしくなってきた。新館に移動してこんどは持参の梅酒500mlパックだ。本棚から山岳救助隊ものを手に取りコタツに寝転んだ。

夕食時はにぎやかだった。食事もおいしくボリュームがあり、ご飯のおかわりもしてしまった。メニューはチキンカツ,馬刺し,やっこ,おから,りんごのサラダ,揚げ餃子,それとかぼちゃの天ぷら盛り。

どぶろく、ウイスキー、ワインなどいろいろ飲んで(飲まされた?)かなり気分が良くなる。青年小屋のご主人も来ていてギターと歌を披露してくれた。 寝たのはけっこう遅かったと思う。ふとんに潜り込んだらあっという間に眠りに落ちた。


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